2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールで制御された微細構造を有する高信頼性鉛フリーはんだ継手
Project/Area Number |
03F03248
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹本 正 大阪大学, 接合科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAO Feng 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 界面微細構造 / 鉛フリーはんだ / 金属間化合物 / 時効 / 微量添加元素 / ステンレス鋼 / Sn-Cu / Sn-Ag-Cu |
Research Abstract |
Sn-Ag系鉛フリーはんだは固体金属との反応性が高く,継手信頼性確保のためには,はんだ付後の界面微細構造を解明することが重要である。現在,ステンレス鋼との反応によりいわゆるエロージョンが生じて鉛フリーはんだ付用機器の損傷が大きな問題となっている。本現象の軽減のためにいくつかの方法が考えられるが,その一つが鉛フリーはんだへの微量元素添加であり,Ni, Coの微量添加がエロージョン抑制に有効であると考えられている。しかしながら,これらの元素を添加した鉛フリーはんだの接合信頼性や界面微細構造は検討されていない。このため本研究ではこれらの元素を微量添加した鉛フリーはんだを用い,その銅との接合界面組織を検討した。 一定温度で銅基板とはんだ付後の界面構造の変化を主として150℃における時効により観察した。界面には主としてη-Cu_6Sn_5が形成されるが,時効時間が長くなるとε-Cu_3Snも見られる。NiおるいはCoを微量添加した鉛フリーはんだにおいては界面に形成されるこれら金属間化合物,特にη-Cu_6Sn_5中に添加元素が存在した。これらの元素はCuと置き換わり例えば(Cu_x, Ni_<1-x>)_6Sn_5と表現できた。これらの元素間の親和力を求めたところ,Ni, Co共にSnとの親和性が高いことがわかり,Snと結合するためにCuと類似の挙動をとったと考えられる。 時効により金属間化合物が成長すると金属間化合物中に固溶した添加元素の濃度は徐々に低下した。はんだ付時に多量の添加元素が金属間化合物中に集まるのは液体(溶融はんだ)中における拡散が固体中におけるものよりも速いために,親和性の高い元素が化合物を形成する箇所に集まったものと考えられる。今後,これら元素を含む化合物の機械的特性や微細組織観察を行い,界面微細構造が継手信頼性に与える影響を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)