2004 Fiscal Year Annual Research Report
配位不飽和金属錯体配位子を用いる機能性多孔体の合成
Project/Area Number |
03F03276
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Jinxi 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 配位不飽和金属中心 / 多孔性配位高分子 / 結晶膨張 / 反強磁性 / 強磁性 / 自己集合反応 |
Research Abstract |
この研究の目的は、配位不飽和金属中心(unsaturated metal centers ; UMCs)を持つ多孔性配位高分子を構築することである。この目的を達成するため,三つの戦略を採った。第一の戦略は,いわゆるビルディングブロックアプローチである。この方法により、我々は二つの異なるニッケル=1,4-シクロヘキサジカルボキシラート(1,4-CDC), Ni_3(μ_3-OH)_2(1,4-CDC)_2(H_2O)_4・4H_2O(1)とNi_6(μ_3-OH)_6(1,4-CDC)_3(H_2O)_6・2H_2O(2)の合成に成功した。1を50℃で減圧することによって定量的にゲストの水分子が取り除かれ,脱水した固体1aを得た。配位水分子をさらに取り除くことによって、UMCsを持つ多孔性配位高分子1bが得られた1aと1bはどちらも1と一致する粉末X線回折パターンを示した。吸着測定により、1a、1bはCO_2を細孔に吸着することが示され、Ar、N_2に対しては吸着が起こらなかった。メタノールとエタノールに対する等温吸着測定も行い、吸着量はラングミュア解析を用い計算した。その結果、吸着量は各ユニットセルに対して、メタノール分子0.5個,エタノール分子0.3個であった。2については,化合物を110度以上に加熱することにより、顕著な結晶の膨張が引き起こされた(a, b軸;9.68%、c軸;15.64%)。ユニットセルの膨張により配位水分子が元来の位置から脱離し、UMCsを生成した。我々はまた化合物1、2の磁気挙動についても測定を行なった。X_MT対Tプロットから,スピン中心間に1はフェリ磁性相互作用、2は反強磁性相互作用を示した。その他にも、二段階自己集合反応を用いて、UMCsを持つ多孔性配位高分子を合成した。我々は、始めに銅部位が配位不飽和であるCu(pzc)_2(pzc=ピラジンカルボキシラート)を合成し,次にCu(pzc)_2をCd(NO_3)_2・4H_2Oと反応させることにより、CdCu(pzc)_2NO_3(4)を得た。
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Research Products
(3 results)