2005 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電子移動に基づく蛍光性化学センサーの開発と分析チップへの応用
Project/Area Number |
03F03280
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEDUMBAMANA Sankaran Brahmadathan 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | オリゴDNA / 脱塩基DNA / アプタマー / 熱量滴定 / リボフラビン / 分子認識 |
Research Abstract |
分子認識に関して生体内の仕組みをモチーフにして、小分子に対する高い認識能を達成するため、分子量の小さなDNAやRNAを認識試薬、つまりアプタマーとして利用する研究が最近注目を集めている。高い親和性と特異性を達成するために小分子との結合に伴う核酸の高次構造変化が利用されており、進化工学の手法を取り入れて人為的に作り出すことが行われている。本研究では相補的なオリゴDNA二重鎖中に脱塩基部位を設け、この脱塩基部位に対向する塩基を認識部位として疎水的な脱塩基空間において分子認識を達成するという、新たなアプタマーの構築を研究の目的とした。 標的分子としては、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンジヌクレオチドの3種を選び、核酸分子として、5' -TCCAGXGCAAC-3'(X=specer-C3)/3'-AGGTCYGGTTG-5'(Y=G, A, C, or T)を含むDNA二重鎖で、長さが11merのものを検討し,さらにY=T, Cについて23-mer, Y=Tについて4-1merと51-merのものについて検討した。11-merのアプタマーと標的分子、リボフラビンとの相互作用をDNA融解温度で評価したところ脱塩基部位に対向する塩基がチミンのときに融解温度が最も向上した。また、熱量滴定によりリボフラビンと各種アプタマーとの錯生成定数や熱力学的パラメータを計測した結果、23-merで対向する塩基がチミンのときに最も大きな錯生成定数が得られ、その値はおよそ50万であった。この結合能は従来報告されているRNAアプタマーに匹敵するものである。本研究で開発した新たなアプタマーはリボフラビンの定量や分離に利用できる特徴を持つものである。
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Research Products
(1 results)