2004 Fiscal Year Annual Research Report
多層カーボンナノチューブ中での多様で構造制御されたナノp-n接合の構築
Project/Area Number |
03F03282
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Quanghong 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ / ドーピング / ヘテロ接合 / 鋳型法 |
Research Abstract |
多層カーボンナノチューブ中に本研究で提案しているようなナノレベルで精密制御されたp-n接合を構築すれば、1本の多層カーボンナノチューブをダイオードやトランジスタなどの電子素子として利用できる可能性があり、夢のナノ電子デバイスにつながる革新的技術になる。同心円状のナノp-n接合をもつカーボンナノチューブの合成を行った。 硫酸浴中にてアルミニウム板の陽極酸化を行う。生成したアルミニウム陽極酸化皮膜には膜面に垂直に直線状のナノ細孔が無数に存在している。BあるいはN元素のドーピングを行うため、それぞれCVD用原料ガスとしてベンゼン/三塩化ホウ素混合ガスとアセトニトリルを使用した。これらの原料ガスを逐次的にCVDすることにより、外側と内側がそれぞれC/B(Bを含む炭素)あるいはC/N(Nを含む炭素)層の二重構造のナノチューブの合成を行った。 X線光電子分光法で合成したナノチューブのBとN元素の分布状態を調べたところ,C/BとC/N層の二重構造になっていることが明らかとなった。さらに,BあるいはN元素をドープすることで電気伝導度が向上することがわかった。とくにB元素のドープは電気伝導度の向上に著しい効果があることがわかった。C/BとC/N層の結晶性を透過型電子顕微鏡およびX線回折装置で調べたところ,BあるいはN元素のドープにより炭素構造の結晶性が低下していることが明らかとなった。結晶性の低下にもかかわらずドーピングにより電気伝導度が向上したことから,C/BとC/N層がそれぞれp型とn型の半導体として機能していると考えられる。しかし,同心円状のナノp-n接合によりナノダイオードとして働くかどうかは,本研究で明らかにすることはできなかった。
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Research Products
(1 results)