2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱拡散マイクロリアクターによるメタンのカップリング反応
Project/Area Number |
03F03286
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
国眼 孝雄 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRIANTO Azis 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロリアクター / メンブレンリアクター / メタンのカップリング反応 / 熱拡散 / 多孔質バイコールガラス |
Research Abstract |
地球上に広く分布し、石油・石炭と同程度の埋蔵が見込まれる天然ガスが、枯渇が心配される石油・石炭の代替原料として期待されている。メタンは天然ガスの主成分で、化学的に安定で反応性に乏しく、化学原料として工業的にはほとんど利用されていない。特にインドネシアでは天然ガスの埋蔵量が世界の中でも多く、その主成分であるメタンを有効に基礎化学原料に合成する方法の研究は、インドネシアと日本の共同研究としてのみならず、グローバルなエネルギー問題や環境問題の解決の糸口を与える。本研究の目的は、反応場に極端に温度勾配をかけ、高温壁で熱解離した炭化水素ラジカルを熱拡散で寸時に低温壁にシフトさせ、カップリングが起きたところで反応をクエンチさせ、エチレンやアセチレンなどを連続的に取り出す熱拡散マイクロリアクター(TD-MR)を試作することである。熱拡散による反応分離とクエンチ効果による反応制御を同時に利用した超小型の反応器によりメタンを容易にかつダイレクトにエチレンやアセチレン等の基礎化学原料に変換できれば、メタンの新規の石油化学の基礎原料の製造法として期待できる。熱拡散による移動フラックスは温度勾配に直接比例するので、一方にはガスバーナーあるいはハロゲンランプで加熱された触媒作用をもつ円盤状の高温壁を、他方は冷却水で冷却された円盤状の低温壁を対峙させる。初年度に直径30mm、厚さ3mm程度の円筒型熱拡散マイクロリアクター(TD-MR)を試作した。その作動空間の距離(スペーサの厚み)を調整することで温度勾配を調整し、移動フラックスを調整した。 16年度は高温・低温壁の温度レベル、温度差、壁間距離、温度勾配、高温壁の材料(触媒効果の検討)、原料の供給速度・方法(自然対流の効果)、生成物の取出し方法等の実験条件を変え、反応生成物に及ぼす熱拡散効果やクエンチ効果の影響を明らかにした。問題点を一つずつクリアしながら、TD-MRを実用化に向けて開発した。特に、温度勾配による分離(移動)速度と、クエンチ効果による生成物への影響をそれぞれ定量化し、生成物と操作条件との関係を得た。
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Research Products
(2 results)