2004 Fiscal Year Annual Research Report
触媒CVD法による太陽電池炭化シリコン層作製についての基礎的研究
Project/Area Number |
03F03287
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅本 宏信 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANSARI Shafeeque 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 触媒 / CVD / Cat-CVD / 有機シリコン / 窒化シリコン / 炭窒化シリコン / 薄膜 |
Research Abstract |
本年度は、主に炭化シリコンや炭窒化シリコン薄膜作製のために使用が検討されている有機シリコン系ガスの触媒分解を行い、質量分析法による分解生成物の同定を行った。有機シリコンガスとしては、テトラメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリスジメチルアミノシラン等を用いた。有機シリコン系ガスを真空チャンバー内に噴散させ、通電加熱したタングステン線等の触媒体上で分解させた。分解生成物を三通りの質量分析法(光イオン化-飛行時間型質量分析法、電子衝撃型四重極質量分析法およびイオン付着型四重極質量分析法)によって同定した。光イオン化質量分析法では、Nd:YAGレーザーの9倍波(118nm)で分解種をイオン化させ、反射式飛行時間型質量分析計で質量選別したのち、マイクロチャンネルプレートによって検出した。イオン付着型質量分析法では、リチウムイオンを付着させることによりフラグメンテーションを起こさせることなしにイオン化させた。その結果、Si-N結合の方がSi-C結合よりも強いにもかかわらず、選択的に解離することが分かった。これは、N原子の孤立電子対が触媒体と相互作用し、Si-N結合が切れた状態で解離吸着した後にラジカルとして放出されるためと考えられる。また、メタンやテトラメチルシランの触媒分解過程では、触媒体として、タングステンよりもモリブデンかレニウムを用いた方が炭化による分解効率の減少が少なく、有利であることが判明した。なお、グラファイト触媒は高温でも安定ではあるが、分解効率は金属触媒に比べて一桁以上落ちることが判明した。
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Research Products
(6 results)