2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ブレンドにおける流動誘起相反転:レオロジー、その場および3次元構造観察
Project/Area Number |
03F03299
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 雅興 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MACAUBAS Paulo H.P 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 流動誘起相反転 / 高分子ブレンド / 共連続構造 / フィラメント構造 / シート構造 / 海島構造 / ストレスオーバーシュート / 第一法線応力差 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ずり流動下で同程度の粘度をもつ非相溶性高分子ブレンドの特異な相分離構造の形成と相反転の機構およびその一般性を明らかにすることである。可視化が可能なブレンドに関しては、2次元構造-レオロジー同時測定および共焦点レーザースキャン顕微鏡による3次元構造観察を行い、溶融ブレンドに関しては超急速冷却後、走査型電子顕微鏡(SEM, FE-SEM)および一部X線CTを用いて構造観察を行った。体積比50/50近傍、正確には体積比が粘度比程度の高分子ブレンドは、静止状態においてドロプレットや連続相が混在した相分離構造をとる。粘度曲線が交差する付近でずり流動を印加すると、両相はずり方向に配向・伸長し、その後伸長・分裂をくり返し界面は非常に不安定になる。ずり応力のオーバーシュートやアンダーシュート、第一法線応力差N1のオーバーシュートは、これらの配向・伸長・分裂と対応する。その後弾性の高い方の成分が分裂し、そのリッチ相は小さい液滴の集合体になる。一方弾性の低い方の成分は伸長してフィラメント構造を形成し、やがてシート構造へと変化する。フィラメント構造が形成する時、ずり応力やN1はほとんど定常値に達する直前である。フィラメント構造からシート構造に変化しても、単位体積あたりの界面積の変化としては小さいので、ずり応力やN1はほとんど定常値のままである。条件を満たすブレンドであれば以上の変化は一般的なものであり、成分の一つが液晶でも同じである。応力は、単位体積あたりの界面積の大部分を占めている小さな液滴の集合で決まるので、モデル計算はそれらの液滴の種々の基本形について行った。また基本形がきれいな形で出現する大変形応力緩和の実験を行い、計算結果と比較してよい一致を得た。さらに溶融ブレンドに関しては、成分の弾性が構造とレオロジーに及ぼす影響を明らかにした。
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Research Products
(3 results)