2004 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉法を用いたトランスポーターノックダウンマウスの作出と薬物動態解析
Project/Area Number |
03F03305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Q 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | RNAi / トランスポーター / ERM蛋白 |
Research Abstract |
薬物トランスポーター群は異物解毒に関わる重要な因子だが、これらの基質選択性に関する寄与率などの機能解析は、それぞれの薬物によって異なるうえに特異的な阻害剤がないトランスポーターもあることから非常に難しい。本課題では、RNA干渉法で特異的に発現を抑制したノックダウンマウスを作出し、それを用いて寄与率の算出を行い薬物動態研究に貢献したいと考えている。まず胆管側膜のトランスポーターに着目し、ERMタンパクを標的とした検討を行っている。近年、Radixinノックアウトマウスでは胆汁うっ滞が起こることが示され、この原因として肝臓の胆管側膜に発現するMRP2が内在化が報告された。このapical膜への局在にERM蛋白のひとつであるRadixinの関与が示唆されたことからERM蛋白が他のトランスポーターにおいても細胞膜への局在に関与することが考えられる。この発現を抑制すればERMタンパクに依存して膜に発現するトランスポーターの発現が一挙に抑制されたマウスの作出が可能である。前年度同定した合成siRNAを用いた系で同定した配列を用いて本年度は、安定発現細胞の構築のためそのsiRNAをコードする発現ベクターを構築した。これをCaco-2細胞に発現させた。現在Radixinノックダウン細胞の構築は終了し、もう一種のCaco-2におけるERM蛋白であるEzrinのノックダウン細胞は現在構築中である。内在性のMRP2は発現レベルが低く、免疫染色法では検出が難しかったために、現在上記ERM蛋白のトランスポーターの局在に対する影響を検討するために、アデノウイルスによる強制発現系を用いて検討中である。培養細胞における効果を確認した後、ノックダウンマウス作出に着手する予定である。
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