2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規L型チロシン誘導体を用いる経口的鎮痛薬の開発に関する研究
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03F03306
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 芳男 神戸学院大学, 食品薬品総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Tingyou 神戸学院大学, 食品薬品総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 新規L型チロシン / 不斉合成 / Endomorphin / ピラジノン環含有鎮痛薬 / 受容体結合親和性 / アゴニスト / アンタゴニスト / 構造活性相関 |
Research Abstract |
すでに私達は2,6-dimethyl-L-tyrosine (Dmt)、2-methyl-L-tyrosine (Mmt), 2,3,6-trimethyl-L-tyrosine (Tmt), 2,6-diethyl-L-tyrosine (Det), 2-ethyl-6-methyl-L-tyrosine (Emt), 2-isopropyl-6-methyl-L-tyrosine (Imt), 2,6-diisopropyl-L-tyrosine (Dit)の不斉合成に成功し、これらを用いてendomorphin-2 analogues ; [Dmt^1]-EM-2, [Mmt^1]-EM-2, [Tmt^1]-EM-2, [Det^1]-EM-2, [Emt^1]-EM-2, [Imt^1]-EM-2. [Dit^1]-EM-2を合成した。これらのμ-、δ-鎮痛受容体との結合活性、in vitro生物活性測定(GPI,MVDアッセイ)、マウスを用いた鎮痛活性検定[tail-flick test (spinal),hot-plate test (supraspinal)]を実施した結果、DmtまたはDetが、オピオイド活性上昇に大きく寄与することを明らかにした。このような研究成果を基礎として、今年度の研究を計画に従って遂行し、次のような成果を挙げることが出来た。 1)2,6-dimethyl-L-tyrosine (Dmt)の大量合成(50g)に成功した。 2)すでに私たちはピラジノン環を含むオピオイドミメティクスが消化管、血液脳関門を通過することを明らかにしている。3-NH_2-(CH_2)m-6-NH_2-(CH_2)n-pyrazinones (n,m=1-4)を16種類合成することに成功し、それぞれのアミノ基にDmtを結合した。得られた16種類のオピオイドミメテイクスの構造活性相関を検討し、m=4,n=3;m=4,n=4の化合物をリード化合物に選定した。[日本薬学会第125年会(平成17年3月29-31日)にて発表予定] 3)δ-鎮痛受容体に対し特異的なアンタゴニスト活性を有するDmt-Ticをピラジノン環を用いて二量化し、Dmt-Ticを凌駕するδ-鎮痛受容体アンタゴニストを得ることに成功した。 4)μ-鎮痛受容体選択的アゴニストをallyl化し、μ-鎮痛受容体選択的アンタゴニストへの変換を試みた。現在それらの生物活性を検討中である。 以上の成果について、論文投稿すべく原稿作成中である。
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Research Products
(6 results)