2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレプトミセス属由来抗生物質生合成遺伝子クラスターの比較機能解析に関する研究
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03F03308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老塚 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Aiying 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 放線菌 / 抗生物質 / 生合成 / ゲノム |
Research Abstract |
(研究目的) ゲノム研究基軸放線菌Streptomyces coelicolorの生産するベンゾイソクロマン(BIQ)系抗生物質アクチノロジン(ACT)生合成に関与する鍵酵素の機能研究を基盤として、関連BIQ系抗生物質グラナティシン(GRA),メダマイシン(MED)両生合成遺伝子群との比較ゲノム解析と鍵生合成遺伝子の機能研究を行い、機能ゲノム学としての普遍的知見、さらには有用物質生産に向けた応用研究を行うことを目的とする。具体的には各生合成遺伝子クラスター中の遺伝子産物(タンパク)の一次配列及び三次元構造を生物情報科学的手法に基づいて比較し、機能推定を行う。ここから生合成鍵酵素遺伝子と既存のデータベース情報からは機能推定ができない保存遺伝子の同定を行う。続いて当該遺伝子を対象に分子遺伝学的手法(遺伝子破壊等)とそれに伴う化学表現形(代謝プロフィール)変化を解析し、遺伝子機能に関する知見を得る。機能解析を進めた鍵酵素に関しては遺伝子改変を加えて新規有用物質生産に向けた組み換え生合成酵素の発現系の構築を行う。 (今年度の実績概要) 本年度では放線菌Streptomyces sp. AM-7161の生産するメダマイシン(MED)の生合成遺伝子クラスター(The medcluster)の機能解析に取り組み、立体化学制御遺伝子med-ORF12の機能解析を行った。MED類縁抗生物質アクチノジン(ACT)の関連遺伝子actVI-ORF1との相同性の高さに着目し、actVI-ORF1の欠損株を利用した相補実験による機能解析を進めた。その結果、MED生合成の中間体である(S)-DNPAを与える鍵還元酵素としてmed-ORF12産物が関与していることを証明することに成功した。研究成果の内容は第19回日本放線菌学会大会(兵庫、7月1日)、日本薬学会第125年会(東京、3月31日)にて発表または発表予定である。
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