2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリコール酸系生分解性ポリエステルの高性能・多機能化
Project/Area Number |
03F03311
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文 成日 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 生体内吸収性ポリマー / ポリグリコール酸(PGA) / ポリ-ε-カプロラクトン(PCL) / 手術用縫合糸 / 開環重合 / 滅菌処理 / 架橋剤 / ガンマ線処理 |
Research Abstract |
ポリグリコール酸(PGA)はグリコリドの開環重合により合成され生体内吸収性ポリマーとして用いられており、臨床的には手術用の吸収性縫合糸として利用されている。しかし、環境保全のための汎用ポリマーとしてはコストがかかる上に分解生成物や分解機構の解明が不十分であるために現状としてはまだ実用化されていない。これらの実用化のためには、原料の経済性はもちろんのことであるが、使用目的に適合した物性や安全性の検討が重要である。15年度はPGAの直接重縮合法に対する研究を行った。16年度は引続き、グリコール酸とε-カプロラクトンの共重合体からなる手術用縫合糸の開発に対する研究を行った。PGAはその融点が220〜230度であるため硬くて加水分解性の高いポリマーである。故に以前の研究では乳酸などとの共重合することより、融点を下げ加工性を向上させ分解性を制御する工夫がなされてきた。本研究ではこのようなPGA誘導体とポリ-ε-カプロラクトン(PCL)との共重合について検討を行った。また得られた生成物の加水分解性や物性の改善に対する実験も行った。まず、新規二段階開環重合法によりHard-segmentとしてのPGA(75モル%)とSoft-segmentとしてのPCL(25モル%)のブロック共重合体を合成した。この際PGAとPCLの反応速度が異なるため反応速度の遅いPCLの重合をあらかじめ行いある一定の分子量に達した時点でさらに反応速度の速いPGAを加え強く攪拌することにより共重合が均一に行われるようにした。この方法により分子量(Mw)が約20万〜30万程度のPGA-b-PCLのブロック共重合体を得ることに成功した。この後得られたポリマーを粉砕し簡単な紡糸装置を用いてMonofilamentの縫合糸を作製した。また得られた縫合糸の引っ張り強度や熱的特性など物性の評価および加水分解実験を行った。
|
Research Products
(2 results)