2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03314
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EUN C.-H 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / 易変性変異 / 遺伝子タギング / DNAトランスポゾン / DNAメチル化 / 遺伝子ターゲティング / アントシアニン色素生合成 / 相同組換え |
Research Abstract |
主要穀物であるイネのゲノム配列が明らかとなり、イネの未知遺伝子に変異を導入し、その形質や遺伝子機能を解析する逆遺伝学手法の開発が急務となってきた。本研究の目的は、黄緑色地のイネの葉に濃い緑色のセクターを入れる易変性ヴィレッセント変異(pyl-v)が、新規DNAトランスポゾンnDartの転移脱離によることが見いだされたので、このnDartを利用した新たな遺伝子タギング系の構築を目指して、nDartの転移を制御する諸条件を検討し、さらに効率良い相同組換えによる遺伝子ターゲティング系の開発をめざすことである。 遺伝子タギング:pyl-vの原因であるnDart1-0と相同なnDartsが日本晴のゲノム中に13個存在しているので、これらの転移脱離能をpyl-v、一見安定な黄色の葉だけpyl-stb変異体、日本晴でPCRにより検討した。その結果、pyl-vでは13個のうち5つのnDartsが転移脱離するが、pyl-stbと日本晴では転移脱離が確認されなかった。次に、pyl-vでnDartsの転移脱離活性が異なる原因を探るために、転移脱離をするnDart1-0と転移脱離しないnDart1-7でDNAメチル化の違いを比較した。その結果、nDart1-0の方がメチル化の程度が低かったので、各nDartsのメチル化の程度の違いが、nDartsの転移脱離活性が異なる一因となることを示唆していると思われる。 遺伝子ターゲティング:アントシアニン色素生合成系のDFR遺伝子をターゲットにDFR遺伝子内での組換えによる色素発現を指標とした相同組換えのアッセイ系の構築を試みたが、カルスの色素発現とネガティブ選抜による褐片化との区別がつき難く、従来のPCRによる検出の方が迅速であるとの結論に達した。
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