2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける分散能力の異なる昆虫類の遺伝的分化
Project/Area Number |
03F03315
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽田 貞滋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Ai-bing 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 東アジア / 系統地理 / 分子系統 / ミトコンドリア遺伝子 / 核遺伝子 / オサムシ / 遺伝的分化 / 移動分散 |
Research Abstract |
(1)大陸と日本におけるオサムシ亜族の系統地理 韓国の半島と島嶼におけるカブリモドキ亜属2種の個体群間の遺伝的分化を,ミトコンドリアCOI遺伝子,核のWg, PepCK遺伝子の塩基配列データをもとにnested clade analysisで解析し,過去の移動分散の経路,個体群間の分断の時期の推定を行った.ミトコンドリアの遺伝子は半島の東西で系統が異なり(メダカで発見された地理的分化と対応する),2つの経路でカブリドリ2種の移入があったことが推定された.また,半島と済州島を含む島嶼における分化は,後期更新世であることが分かった(論文投稿中) 韓国と日本に分布するクロナガオサムシ亜属8種について,種間の系統関係をミトコンドリア1遺伝子(COI),核4遺伝子(28S, Wg, PepCK, Rhodopsin)を用いて解析した.この亜属では,形態分類に基づく種と,遺伝子の系統樹に食い違いが頻繁に見られるため,その原因を探索した.また,韓国内でのそれぞれの種の系統地理に関して,ミトコンドリア遺伝子を用いた詳細な解析を行った.(投稿準備中) (2)中国におけるオサムシ亜族の系統地理 中国浙江省,安徽省,江西省,湖南省,広西壮族自治区,雲南省における野外調査を行い,中国でもっとも多様化しているトゲオサムシ亜属,タイリクオオオサムシ亜属を中心に,DNA解析のための試料を収集した.DNA分析のための同定と試料の解剖を行った.
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