2004 Fiscal Year Annual Research Report
OsGAMYb遺伝子の改変による多収性米の分子育種
Project/Area Number |
03F03328
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 紀美子 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM S.S. 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | OsGAMYB / 花芽形成 / RNA interference / 一次枝梗 / イネ |
Research Abstract |
1.OsGAMYB突然変異体の解析 OsGAMYB突然変異体の遺伝、形態、分子生物学的解析を行ったところ、OsGAMYB遺伝子は栄養成長期、生殖成長期ともに地上部におけるあらゆる器官、すなわち葉、節間、花序、花器官、胚、胚乳の形成に関わる事がわかった。突然変異体では、葉、節間の伸長成長が抑制され、分げつが増加し、穂における一次枝梗の数の減少、種子稔性の低下、葯の形態異常が観察された。また、これらの器官のうち特に発芽期の胚乳と芽、葯や花粉形成期の花序において特に強く発現しており、このことはOsGAMYB突然変異体において花序や葯の形態が著しく影響を受けることと一致した。また、開花が早生化することからOsGAMYBは通常開花を抑制していると考えられた。さらに、葯を除き解析した器官の全て(芽・葉・花序・カルス・発芽期の胚乳)において発現が減少している一方で、葯においては逆に発現が上昇していた。 2.OsGAMYB遺伝子の逆遺伝学的方法による解析 OsGAMYB遺伝子の発現をRNAi法により抑制し、或いは過剰発現させたイネを解析した。その結果、RNAi系統では著しい矮性化、枝梗の減少、花粉稔性・種子稔性の不全、開花の早生化が見られた。一方、過剰発現(Ox)系統においては、枝梗の増加、種子稔性の低下、開花の晩成化が見られ、これらの形質は突然変異体におけるmRNA発現変化とその結果の形質と同一の傾向を示した。また、過剰発現体において、一穂あたりの頴花数は最大10%程度増加し、これらの結果から、OsGAMYB遺伝子の発現を変えることで多収米の作成が可能であることがわかった。
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