2004 Fiscal Year Annual Research Report
持続的農業開発に向けた参加型農業資源管理に関する研究
Project/Area Number |
03F03332
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山尾 政博 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Zulfikar Md. 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 住民参加型資源管理 / 農家植林 / 種籾改良・保存 / 資金蓄積 / 貧困解消 / ため池管理 / 水利組合 |
Research Abstract |
本研究の目的は,アジア開発途上国における地域農業資源の持続的利用と保全を実現し,零細農民の経営改善をはかりながら,どのように農村の貧困を解消していくかを検討することである。 具体的には,1)参加型の地域農資源管理の実態と問題点に関する調査,2)地域住民が参加するグループ組織の実態調査,3)持続的な資源利用と管理を軸にした農村開発のあり方についての検討,を行う。今年度は,バングラディシュと日本(広島県)において実態調査と比較研究を進めた。 バングラディシュでは,農家植林を奨励・実践しているプロジェクト,種籾改良・保管を通じて農家の生活向上をはかっているプロジェクトについて調査した。それぞれ住民参加型のプロジェクトで,地域農業資源の効果的な利用をはかりながら,農村の貧困解消と生活の質の向上をめざしている。特に,種籾に関する事業はその波及効果が大きく,参加農家の資金蓄積及び農業技術の改良に役だっている。日本の広島県においては,ため池を中心とした農業用水の利用管理組織について調査した。農業土地基盤の整備が比較的進んでいる地域で実態調査を行ったが,ため池の利用と管理については,歴史的に形成されてきた集落組織が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。水資源の持続的な利用と公平な分配を実現するために,農業状況に相応しい参加型組織が形成されている。こうした事例調査を実施しながら,参加型の地域農業資源管理を研究するための手法の開発にも努めた。
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Research Products
(2 results)