2004 Fiscal Year Annual Research Report
光独立栄養成長培養システムを用いた薬用植物の増殖・苗生産・物質生産に関する研究
Project/Area Number |
03F03334
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古在 豊樹 千葉大学, 園芸学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AFREEN Fawzia 千葉大学, 園芸学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 光独立栄養成長培養システム / 環境調節 / 人工光 / 植物組織培養 / セイヨウオトギリソウ / 薬効成分 / 薬用植物 |
Research Abstract |
人工光・環境調節下における薬用植物の成長ならびに薬効成分濃度を調査するために、種々の光質、温度、水分条件下において、乾物重、生体重、クロロフィル濃度、気孔の発達状況ならびに薬効成分濃度を測定した。これは、合理的な薬用植物生産方法を開発するのが本研究の目的であるからである。この研究の背景には、世界的な薬用植物資源の枯渇ならびに薬用植物の残留農薬問題がある。 植物組織培養などの栄養繁殖法は、優良遺伝子を有する個体を栄養繁殖させるには優れた方法であるが、増殖ならびに苗生産のコストが高いことが、栄養繁殖法普及の阻害要因となっている。そこで、本研究では、薬用植物の培養増殖・苗生産に環境工学的手法を取入れることにより、研究成果を増殖技術および苗生産技術として実用化することが可能となる。 薬用植物として世界的に需要が比較的に高い、セイヨウオトギリソウ(St.John's wort, Hypericum perforatum)等を植物種として、ガンマー線照射をしてmutantを誘導した個体を材料に用いた。乾物重、葉面積などの成長量の他に、hypericinなどの薬効成分濃度を測定した。その結果、特定の薬効成分が多く含まれる系統を見出し、さらに特定の薬効成分を多く生産するための物理環境条件を見出した。またEchinaciaを植物材料とする同様の試験の準備を開始した。 高速液体クロマトグラフィーによる薬効成分測定の準備に手間取り、いずれの実験も開始からまだ7ヶ月程度であり、現在、測定データの収集が完了した段階であるので、現在は、それらデータを整理して解析する段階に入ったばかりである。興味深いデータが得られているので、17年度5月には、数編の英語論文をランクの高い学術誌に投稿できる予定である。
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Research Products
(7 results)