2004 Fiscal Year Annual Research Report
腸管における新しい抗原取り込み装置M細胞集族へのリンパ球動員の分子機構の解析
Project/Area Number |
03F03343
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANG Myoung Ho 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | M細胞集族 / 樹状細胞 / 粘膜固有層 / ケモカイン / ケモカイン受容体 |
Research Abstract |
腸管は、免疫原の侵入により正の免疫反応を起こして生体に免疫を賦与する場合と、負の免疫反応すなわち免疫寛容を起こして生体に免疫応答を起こさせない場合があり、興味深い調節機構を内在する「リンパ組織」である。抗原取り込み装置であるM細胞集族は腸管粘膜固有層(LP)の上に存在し、このLPには新規の2種の樹状細胞(DC)サブセット(LP-DC)が存在することを明らかにしてきた。本研究では、LP-DCをサブセット毎に分離し、その機能を解析した。 最初にDCの代表的な機能であるantigen uptakeとpresentationを検討した。LP-DCは他の組織由来のDCと同じようにmicrobeadsやOVAタンパク質を取り込み、Allo responseであるMLRやOVA特異的なpresentation能力においても他の組織由来のDCと同様であった。LP-DCサブセットは共にcell-associated antigenをT細胞に提示し、IL-10やIL-4を産生するCD25陽性T細胞に分化させた。この結果より、LP-DCはregulatoryな機能を持つことが示唆される。また、これらのDCはCCR7を発現し、そのリガンドであるCCL21に対してdirectional migrationを示した。 DCの特異的マーカーであるCD11cと、CD8α,β7integrinの発現より、腸間膜リンパ節にはLP由来のDCと、パイエル板由来のDCと思われる2種類のDCが存在することを確認した。CCR7ノックアウトマウスの腸間膜リンパ節ではLP-DCが消失していた。これらのことより、LPから腸間膜リンパ節へのDCの移動はCCR7依存的であると考えられた。
|
Research Products
(3 results)