2004 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおける地下水由来の無機ヒ素曝露の評価
Project/Area Number |
03F03344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 知保 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE MunJoo 東京大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バングラデシュ / 地下水 / 無機ヒ素 / 曝露評価 / メチル化代謝 / 皮膚症状 / 飲物 / 小児 |
Research Abstract |
本年度は主として、食物からの砒素摂取を含む総合的な砒素曝露評価と小児についての曝露-影響評価について明らかにするために調査・測定を行った。 食物からの砒素摂取を含む総合的な砒素曝露評価:バングラデシュヒ素汚染地域である北西農村部において飲水量ならびに水以外(食物)から摂取されるヒ素の量について現地調査を実施、北西農村部である2村を対象として1日の飲水量について実測調査を行なった。その結果、性差はほとんど見られなかったが、村によって異なっていることを見出した。また、食物から摂取されるヒ素の量については得られた食物試料を水素化物発生-原子吸光法(HG-AAS)を用いてヒ素濃度を測定した。これまで少数の食品中砒素分析から大まかな推定が行われたにとどまっているが,本研究において飲水量・食物摂取量の定量データが既に得られており、体系的なサンプリングと化学分析の結果と合わせて相対的寄与を評価し得るような総合曝露評価を検討中である。 小児についての曝露-影響評価:本プロジェクトで過去に実施した小児における曝露と影響実態の調査ならびに疫学的介入時における曝露実態の調査について,得られた生体試料,環境試料の総砒素分析ならびに形態別砒素分析を、それぞれ水素化物発生-原子吸光法(HG-AAS)ならびに高速液クローICP質量分析(HPLC-ICP-MS)を用いて測定した。その化学分析はほぼ終了し、影響指標との関連を解析できる段階に達している。また、これまで小児は慢性砒素中毒症状をほとんど示さないとして定量的な評価はほとんど行われていなかった。しかし、既に我々の検討で軽微ながら皮膚症状が観察されることを見出した。 疫学的介入の試みは少数の既報があるが、介入終了後において曝露を評価した例はほとんどなく、介入のインパクトの時間経過に従った減衰の評価を検討中である。
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Research Products
(2 results)