2004 Fiscal Year Annual Research Report
産業廃棄物を軽減できる歯科鋳造用埋没材のリサイクルに関する研究
Project/Area Number |
03F03354
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 祖太 昭和大学, 歯学部, 研究生
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Keywords | 鋳造 / 埋没材 / リサイクル / 結合材 / 再利用 / 適合性 / 鋳型強さ |
Research Abstract |
歯科鋳造では鋳造物を掘り出したあとの鋳型材は再利用されることなく廃棄されるのが常であるが、われわれは結合材を含まない埋没材を試作することで再利用を検討した。結合材がないことによる歯科鋳造用埋没材の問題点としては、硬化に時間がかかるため急速加熱への適用が難しいこと、硬化膨張が期待できないこと、また硬化時および焼成後の鋳型強さが小さいことがあげられる。とりわけ、鋳造時の鋳型強さに関しては溶湯の鋳型への流入圧力によっては致命的な鋳造欠陥を招く可能性が高いので、ある程度の強さは必須である。 この問題を解決するためには硬化反応では関与しなくとも高温で溶融して耐火材を結合する役割を果たし、冷却後には硬化する効果を持つ材料を添加することが有効であると考えた。そこで組成の異なる2種類のガラス粉末(ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス)を準備し、ガラスの種類による高温での耐火材結合の効果について検討した。 その結果、ガラスは鋳造温度近傍で溶融することにより鋳型強さが著しく向上することが認められたが、いずれも2回目の再利用では強さは大きく減じていた。これはガラス成分と耐火材との反応あるいは鋳型が強すぎて再度粉末に戻すためにミリングが強すぎ再利用字の粉末が細かくなりすぎたためと推察された。つよしかし、その反面、加熱膨張は若干損なわれることも明らかとなった。また、用いるガラスの種類により、溶融温度に差があることも判明した。そのためソーダ石灰ガラスを用いると600℃以上加熱を続けた場合に鋳型が収縮する傾向が観察されたので、通常700℃まで鋳型を焼却する歯科鋳造ではホウケイ酸ガラスを用いたほうが有利であると考えられた。現在は、この基礎データを基に臨床ケースを試みている。また、市販の他の鋳造用埋没材でも再利用が可能であるかについても、重ねて詳細な検討を加えている。
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Research Products
(5 results)