2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03357
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM TAE GYOU 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 冷凍倉庫 / 防寒服 / 作業負荷 / 作業能率 / 心理反応 / 巧緻性 |
Research Abstract |
近年、冷凍倉庫内での作業は、身体各機能への影響や問題の発生を考慮して、作業者の労働量を最小限にし、同時に倉庫内作業の自動化が進められている。しかし、労働量の軽減は可能であるとはいえ、未だ無人力の完全自動化は実現できていない。そのため、作業者たちは寒冷の環境と外部の温度差によって循環機能などの健康障害を受けることが多い。また大部分の冷凍物品の重量が10〜20kg以上である。そこで本研究では、筋肉痛などを訴える作業者も多数に及ぶことに着目し、冷凍倉庫内の荷役作業が人体の体温調節反応やその他の生理反応にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために次のような実験を行った。 冷凍倉庫内の荷役作業をシミューレーターして防寒服(約3.4kg.ブーツを除く)を着用した被験者8名を20℃と-25℃の環境に3回繰り返し暴露した。実験時間は、合計170分間であった。被験者は-25℃の環境では3条件の作業(作業なし、9kg荷役作業、18kg荷役作業)を10分間行った。 測定は直腸温、皮膚温11点、衣服内の温湿度、心拍数、血圧、体重減少量を測定し、呼気採取及び血液採取を実施した。さらに、15秒間にできるだけカウンターを多く押すCounting taskを実施した。また、心理反応として主観申告を行なった。血液データは実験前後に採取したサンプルを分析した。 その結果、次のような結果が得られた。 寒冷環境下での作業負荷が増加することによって深部温と体幹部皮膚温が上昇することや、拡張期血圧の上昇が抑制されることが認められた。しかし、手作業の巧緻性は重量物の荷役などの労動によってむしろ減少した。したがって、同一時間に対する作業でも寒冷環境下の重量物の取り扱いは、作業能率の低下や荷物の落下などの危険性を高める恐れがあるため、重量物取り扱い時には作業時間の短縮及び安全上の確保をさらに要すると考えられた。
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Research Products
(2 results)