2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレスによるアレルギーと癌に対する抗酸化ストレス因子チオレドキシンの生体防御機構の解析
Project/Area Number |
03F03527
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KWON Yong-Won 京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | Apoptosis / ASK1 / Omi / HtrA2 / p53 / p38 MAPK / carcinogenesis |
Research Abstract |
3-メチルコランスレン(3-methylcholanthrene (MC))などの多環芳香族炭化水素(Polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs))は環境汚染物質であり、強力な発癌物質である。しかしながらその癌化の機構は不明である。 アポトーシス実行機構の異常が癌化の重要なステップであると考えられるため、我々はMCによって起きるアポトーシス機構について研究を行ってきた。我々は以前、MCはp53とp53依存性のp38MAPキナーゼの活性化によりアポトーシスが起こることを報告した。今回そのp53活性化の下流とp38MAPキナーゼ活性化の上流について検討した。MCはapoptosis signaling kinase 1 (ASK1)の活性化とOmi/HtrA2の発現増加を起こした。ASK1とOmi/HtrA2のRNAiによる抑制はMCによるアポトーシスを抑制した。これらの結果より、Omi/HtrA2とASK1はDNA傷害により誘導されるp53依存性アポトーシスを制御していることを明らかにした。また、Omi/HtrA2によってASK1が切断されることを明らかにした。今回の研究により、DNA傷害による早期のp53の活性化、Omi/HtrA2によるASK1の切断、p38MAPキナーゼの活性化、p53の活性化というアポトーシスの経路を明らかにすることができた。
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Research Products
(6 results)