2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンチオーキシン抵抗性変異体の分子遺伝学的および生理学的解析
Project/Area Number |
03F03563
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大野 豊 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹
|
Keywords | シロイヌナズナ / オーキシン / アンチオーキシン / PCIB / 2,4-D / AAR3 |
Research Abstract |
アンチオーキシンとして知られるPCIB(パラクロロフェノキシイソ酪酸)を用い、PCIBによる主根の生長阻害を指標としてシロイヌナズナの変異体のスクリーニングを行った。その結果、11系統のaar(アンチオーキシン耐性)変異体を取得した。すでに報告済みであるaar1、aar2を除く9系統のうち、3系統の変異については、これまでオーキシン関連の変異体や遺伝子の知られていない新しい遺伝子座に存在することがわかりaar3、aar4、aar5と名付けた。一方、他の変異遺伝子はオーキシン耐性変異として知られるtir1やaxr6の近傍にマップされ、本アプローチがオーキシンの受容に関わる因子の解明に有効であることが示された。aar3、aar4、aar5は2,4-Dによる主根の生長阻害に対しても耐性を示し、これらが新規のオーキシン関連変異体であることが明らかになった。また形態的特徴として胚軸がaar3、aar5では野生型よりも短くaar4では野生型よりも長いこと、また側根の数に関してはaar4が野生型よりも少ないことなども認められた。AAR3遺伝子ついてはポジショナルクローニングをおこない、195アミノ酸からなる未解析のタンパク質をコードしていることが示唆された。以上の結果より、PCIBのオーキシン関連変異体取得における有効性が示されたとともに、オーキシン応答にかかわる新規遺伝子の存在が明らかとなった。
|