2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAVOUE Sebastien 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子系統 / ネズミギス目魚類 / ミトコンドリアゲノム / 大系統 / 進化 |
Research Abstract |
ミトコンドリアゲノムデータに基づきネズミギス目と周辺魚類の分子系統解析を行い,その結果を論文としてまとめ投稿した. ネズミギス類は陸上最大の淡水魚群である骨鰾類の基部を形成する魚群で,条鰭類の海水から淡水への進入の鍵を握る一群である.さらに形態的にも特異なグループとして知られ,近年の解析からシラスの親として知られるニシン類の根幹にも位置する可能性が指摘されており,ネズミギス目の系統解明は特殊な仔魚形態の進化の道筋にも大きな示唆を与える. ネズミギス目には34種の魚類が含まれているが,これまでに7種の魚類を採集しミトコンドリアゲノムデータを決定した.既存のカライワシ類,ニシン類,骨鰾類などの下位真骨類と正真骨類のデータを合わせ合計38種のミトコンドリアゲノムデータを用いて予備的な解析を行った.38種から得られたミトコンドリアゲノム全長配列(ND6遺伝子と調節領域を除く)を,5区分(1st,2nd, and 3rdコドンポジション;tRNA遺伝子;rRNA遺伝子)し,タンパク質領域の形質の取り扱が異なる3つのデータセット1)3rdコドンポジション無し(9957ポジション);2)3rd cコドンポジション有り(13,461ポジション);3)アミノ酸配列(6453ポジション),を作成して,ベイズ法,最尤法,最節約法を用いて系統解析を行った. その結果,ネズミギス目はOtophysiの姉妹群となり,その外側にニシン類が分岐することが示唆され,形態データに基づく研究で支持されてきた伝統的な仮説を再現した.本研究で得られた結果は,骨鰾類がシクリッド類など他の二次的淡水魚と異なり,4億年を超える昔から淡水域に生息し続けていたことを示唆した.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Molecular systematics of the gonorynchiform fishes (Teleostei) based on whole mitogenome sequences : Implications for higher-level relationships within the Otocephala.2005
Author(s)
Lavoue, S., Miya, M., Inoue, J.G., Saitoh, K., Ishiguro, N.B., Nishida, M.
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Journal Title
Molecular Phylogenetics and Evolution (印刷中)