2004 Fiscal Year Annual Research Report
オリーブオイルを含む種々の脂肪摂取の食後高脂血症に及ぼす影響を検討する
Project/Area Number |
03F03706
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近藤 和雄 お茶の水女子大学, 生活環境研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAPOGNA Daniela お茶の水女子大学, 生活環境研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 食後高脂血症 / 脂肪負荷 / バター / オリーブ油 / サフラワー油 / 中鎖脂肪酸 / カイロミクロン-TG |
Research Abstract |
近年、脂肪摂取後に中性脂肪濃度の増加する、食後高脂血症が動脈硬化の危険因子の一つとして注目されている。食後高脂血症は摂取する脂肪の量によって程度の異なることが知られているが、摂取する脂肪の質の違いによって食後高脂血症の発症の程度に差の生じることが予想される。 そこで、脂肪摂取量の多い欧米の中で比較的動脈硬化をおこしていない地方として知られる地中海で使用されているオリーブ油を中心として、菜種油、大豆油、中鎖脂肪酸などをヒトに摂取させ、食後の血液中の中性脂肪濃度の増加をバター摂取と比較検討した。健常男性6名を対象にバター、オリーブ油、中鎖脂肪酸、サフラワー油をそれぞれ16g負荷した。負荷前と負荷後1h、2h、4h、6hに採血を行い、血清脂質、リポ蛋白の変動を比較検討した。血清脂質は酵素法、リポ蛋白はアガロース電気泳動法によって測定した。TGの時間曲線下面積(IAUC:Incremental Area Under The Curve)として算出して比較したところ、負荷後の反応が最も高いのがオリーブ油で、次いでバター、サフラワー油の順で、中鎖脂肪酸ではほとんど負荷後のTGのは認められなかった。 こうした傾向は、リポ蛋白におけるカイロミクロンTGの変動をみても同様で、オリーブ油、バター、サフラワー油、中鎖脂肪酸の順であった。 ビタミンEならびに抗酸化物を含有しているオリーブ油の負荷後TGの増加が最も高かったことは、予想と反する点もあり、今後対象者を増加させてさらに検討する。
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