2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03711
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高崎 史彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STAMEN Rainer 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | B中間子 / B中間子・反B中間子混合 / Bファクトリー / φ中間子 / Ks中間子 |
Research Abstract |
高エネルギー加速器研究機構のB-ファクトリーの加速器、KEKB,と測定器、Belle、は、順調に世界最高の性能で運転され、収集されたB中間子対発生の事象数は4億を超え、様々なB中間子崩壊反応が観測され、既に120編を超える学術論文として結果を発表している。特に、B中間子崩壊におけるいくつかの崩壊モードにおいてCP対称性の破れを発見した。この観測は、小林・益川理論と合致しこの理論の正当性を深める結果となった。一方、このうち、このうち特に注目すべき観測結果としては、B中間子がφ中間子とKs中間子に崩壊する過程で大きなCP対称性の破れの観測があげられる。観測結果が標準理論からの予測と大きくずれるものであるために、現在、実験精度を高めて引き続き観測を継続している。 一方、B中間子の非常に稀な崩壊モードの観測も標準理論を越える現象を探す意味から重要であり、Belle実験はこの研究も行っている。Stamen氏はB中間子がK中間子とパイ中間子に崩壊する反応の詳細な研究を行い、この崩壊モードにおいて、CP対称性がB中間子・反B中間子の混合によらない過程でも起こっていることを確認した。この反応は、B中間子がφ中間子・Ks中間子崩壊と同じくB中間子を構成するb-クオークがペンギンダイアグラムを通してd-クオークに遷移する過程などから起ると考えられる。そこで、Stamen氏はこのことに注目し、様々な分析を行っており、その研究成果が期待される。
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Research Products
(1 results)