2004 Fiscal Year Annual Research Report
多自由度人間型ロボットのための生物学的模倣学習に関する研究
Project/Area Number |
03F03713
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OR Jimmy C. 早稲田大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 中央パターンジェネレータ / 柔軟背骨人間型ロボット / ベリーダンス |
Research Abstract |
我々の頭部ロボットおよび新二足走行ロボットは世界で最も進んだロボットの1つであるが、人間のように柔軟な背骨を持たない。私は、本プロジェクトに対して全身型柔軟背骨人間型ロボットを自ら作製することを決めた。平面的な動きの可能な機械背骨を作製するため、最初の数ヵ月を費やした。プロトタイプは、直列リンクさせた3つの身体部分から構成されている。制御システムについては、ヤツメウナギのCPGモデルを模擬した。このCPGは、律動的な振幅性の動きだけでなく波状パターンも発生させることができる。CPGからの神経活動をモータ駆動信号に変換することにより、CPGを用いて機械背骨に対する平面的な動きを発生させることが可能ということを実証した。従来方法と異なり、身体軌跡を集中的に計算する必要はない。わずかに2つの制御パラメータを用いて背骨の動きを発生させる。人間の背骨の機械バージョンを開発することは非常に費用がかかり困難であることから、少ないモータで三次元的にあらゆる人間の背骨の動きを発生させることの可能な単純な背骨の設計について、私はベリーダンスから着想を得た。ベリーダンサーは非常に柔軟な腕と胴体をもつことが知られている。ベリーダンサーは、普通の人よりもスムースかつなめらかに手足と胴体を曲げることができる。一方、ロボットは非常に堅固な胴体をもっている。人間型ロボットがベリーダンサーのように柔軟であれば、このロボットはさらに機敏になり、その動きはさらに生命体のようになるであろう。このプロジェクトの第2段階において、私は、世界最初の柔軟背骨ベリーダンス人間型ロボットとしてWBD-1を開発した。第1段階で開発した制御システムを改造した後、このロボットは人間のあらゆる基本的な背骨の動きと、ベリーダンスで見られるような身体のくねりを再現できるようになった。このロボットはユニークなものである。その理由は、背骨を動的に動かすことのできる世界で最初の柔軟背骨人間型ロボットであるためである。公表および他の義務に関しては、柔軟背骨人間型ロボットに関する私の最初の論文が"Artificial Life"で受理された。その後、私の研究は"Neture"で紹介された。それ以降、世界中の多くの人たちが私の研究に関してさまざまな言語で記事を書いている。私は柔軟背骨人間型ロボットを制御するためにCPGを用いる先駆者となった。最初の年に、私は複数の雑誌や会議論文集に投稿した(そのうちの1つは招待論文であった)。2年目は主に、研究結果の発表に費やした。私はWBD-1を用いて2件目の論文用の新たな実験を行った。私のIJHRでの発表が受理された。私のロボットは、世界で最初かつ唯一の動く柔軟背骨人間型ロボットであるとしてロボット専門家の国際会議で認められた。また、"Neural Computation"に提出した私の3件目の論文に対するレフェリー報告書を受け取った。このレフェリー報告書に応じて論文を見直すため予定外の時間を費やした。特に、30台のリナックスPC群を用いて若干の追加コンピュータシミュレーションを実施した。さらに、私の理論を確認するため、実際にプロのベリーダンサーの動きをモーションキャプチャで把握した。ベリーダンサーの動きを分析し、論文を再提出した。私の論文はわずかな編集上の修正を行うことを条件に、最終的に受理された。既存の制御システムに加えた作製で、私は背骨ロボットがベリーダンスを行いながらバランスを保つことのできる新規制御システムを開発した。私はその結果を"IROS2004"で発表・紹介した。私はレフェリー報告書を待っている間に、ロボットの改良を行い、このロボット用の新たな動作プログラムを開発した。その後、私はこのロボットを用いて感情表現に関する心理実験を行った。この実験に関する雑誌論文は現在レビューを受けている。
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Research Products
(3 results)