2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03F03746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OSTROVIDOV Serge 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 光造形 / マイクロ流体デバイス / 細胞培養 / 組織構築 / 生分解性材料 / 発泡性材料 |
Research Abstract |
生体内部において細胞は高度に組織化され、かつ3次元的な構造を形成している。例えば肝臓の構造を考えると、複数の種類の細胞が構造化されており、また血管や胆管などのマイクロスケールの物質輸送機能が組織内部に集積されている。一般にペトリディッシュなどを用いて行われる細胞培養においては、栄養物や老廃物ならびに酸素などの物質輸送は、主として拡散によって行われるため、ある規模以上に培養組織を大きくできない、あるいは3次元的に組織を構築することが困難である、などの問題が指摘されている。これに対して、マイクロ流体デバイスを用いて、血管に対応するようなマイクロスケールの流れを能動的に作れば、こうした物質輸送の問題が解決できると同時に、マイクロ構造自体が組織を3次元的に構築する際のサポート構造になりうるので、従来の方法では不可能であった大規模な組織構築が可能になると考えられる。本研究では、マイクロ流体環境をうまく制御することにより、組織構築を行うことができるようなデバイスの実現をめざし、内部に膜構造を有するようなマイクロ流体デバイスを製作し、各種細胞の培養を行うと同時にデバイス機能の集積化技術の開発を進めてきた。具体的には、 1)直径数ミクロン程度のポアサイズを有する膜の製作方法を確立した。 2)ラット肝細胞培養がデバイス内部の膜上できわめて良好な状態で培養できることを明らかにした。 3)流体駆動装置と細胞の状態計測のための電極構造の集積化技術を確立した。 4)上記の集積化デバイスを用いて小腸の細胞培養を行い、組織形成に伴って、その変化が電気的に検出可能であることを確認した。 以上のようにして、細胞及び組織を人工的な環境で、生体内に近い状態で培養を行うと同時に、その状態を、計測することが可能なセルエンジニアリングデバイスの基礎を確立した。
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Research Products
(5 results)