2005 Fiscal Year Annual Research Report
植物のアルミニウム耐性遺伝子の分離とその機能解析に基づく分子育種への応用
Project/Area Number |
03F03770
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
且原 真木 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANDA S 岡山大学, 資源生物科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸性土壌 / アルミニウム / シアン耐性呼吸系遺伝子 / 酸化ストレス / タバコ培養細胞 / 形質転換 / アクアポリン / オオムギ |
Research Abstract |
酸性土壌における作物の生産性低下は、土壌溶液中に溶解するアルミニウムイオン(Al^<3+>)によると考えられている。本研究は酸性土壌における生産性の増大をはかることを目的として、植物のアルミニウム耐性機構を解明することを目的とした。本年度は(1)耐性機構に関与するミトコンドリアのシアン耐性呼吸系の遺伝子(AOX遺伝子)と酸化ストレス(活性酸素ストレス)の関係、および(2)成長の制御にかかわる水吸収の分子機構について研究を行った。 活性酸素については、アルミニウム耐性タバコ培養細胞ではアルミニウムストレス後に活性酸素発生が減少すること、また感受性細胞では逆に増加することが認められた。活性酸素の細胞での生成/消去に関係があるとされるAOXについては、アルミニウム感受性タバコ培養細胞ではアルミニウムストレス後に発現が大きく減少した。しかしアルミニウム耐性タバコ培養細胞ではアルミニウムストレス後に発現が減少することなく、発現量はストレス前と同程度であった。次にAOX遺伝子を過剰発現させたタバコ植物とその培養細胞系を確立した。AOX過剰発現細胞ではアルミニウムストレス後の成長がコントロール細胞より20%向上していた。これらのことからAOXがアルミニウムストレス耐性に関与していることが示された。 次に細胞の伸長成長に必須の水吸収を分子機構のレベルで検討した。具体的には細胞膜での水輸送を担っているアクアポリン蛋白質の遺伝子発現を調べた。オオムギ根細胞の原形質膜で発現していると考えられる遺伝子候補をESTおよびContigデータから11個見出して、その発現をPCRで確認した。現在、塩ストレス、浸透圧ストレス、重金属ストレス、活性酸素ストレス(過酸化水素処理)による各分子種の発現量の変化を調査中である。
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Research Products
(1 results)