2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロポーラス及びメソポーラス材料の環境調和型触媒への応用
Project/Area Number |
03F03777
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉 義弘 岐阜大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAFEEK Abdul Rashid Mulla 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ゼオライト / ITQ-21 / メタンの酸化 / ビフェニル / エチル化 / ZSM-12 / 形状選択性 |
Research Abstract |
2003年11月5日から2005年11月4日まで外国人特別研究員として当研究室に在籍し、ミクロポーラス材料の合成及び触媒反応への応用に関する研究を従事してきた。以下今年度に行った研究概要を記す。 1)新規ゼオライトITQ-21の合成条件の検討とその酸化触媒能の発見 シリカとゲルマニウム酸化物を骨格構成要素とするITQ-21の合成に取り組み、その形成条件を明らかにした。この過程で、テンプレートの除去に際し、360℃付近で大きな発熱が生じ、骨格が破壊される現象を発見した。このことは、ゲルマニウムによる有機物の酸化反応と考えられたので、各種酸化反応の検討を行った。その結果、300℃から400℃においてメタンの酸化反応が起こることを見いだした。この様にゲルマニウムが酸化能を有することはこれまで、知られていない現象である。なお、シリカのみのベータゼオライト及びITQ-21と同様に、シリカとゲルマニウム酸化物を骨格構成要素とするITQ-17ではそのような活性が認められなかった。これらのゼオライトではゲルマニウム原子のコンフィギュレーションが異なることが知られており、ITQ-21のように空孔内がゲルマニウムであることが、原因の一つであると考えられるが、現在さらに詳しい検討を行っている。結果がまとまった段階でNatureへの投稿を考えている。 2)ZSM-12ゼオライト触媒によるビフェニルの形状選択的エチル化 これまで検討してきたビフェニルのエチル化における経時変化の検討を行った。外表面酸点の多いZSM-12Sは高い活性を有するが4,4'-ジエチルビフエニル(4,4'-DEBP)の選択率が低く、また、急速な活性劣化が起こった。一方、脱アルミニウムにより表面酸点を除去したZSM-12Eは、活性は低かったが、4,4'-DEBPの選択率は40-60%に達し、また、活性劣化が少なかった。このことより、ZSM-12細孔はビフェニルのエチル化に形状選択能を有するが、選択性を高くするのは外表面酸点の関与を防止する必要のあることが判明した。
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