2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00122
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 功 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 貫通型マイクロチャネル乳化 / 単分散エマルション / 矩形貫通孔 / スケールアップ / しきい値 / Computational Fluid Dynamics / 多相エマルション / サブミクロンチャネル |
Research Abstract |
相当直径1μm以下のサブミクロンチャネル(SMC)を有するシリコン基板を開発した。この基板を用いて乳化を行い、平均液滴径1.4μm、変動係数17%の比較的単分散な微細エマルションが作製された。SMCの開発により、マイクロチャネル(MC)乳化で作製可能なエマルションの最低液滴径を従来の約3μmから1μm台に微細化できた。次に、昨年度報告した大型貫通型MCと比べて4倍(約32万個)の矩形貫通孔(長辺40μm、短辺10μm)が配置された直径5インチの貫通型MCウェハを開発し、装置のさらなるスケールアップを果たした。 数値流体力学(Computational Fluid Dynamics, CFD)的手法を利用して、矩形貫通型MC(長辺20〜50μm、短辺10μm)からの液滴作製現象のシミュレーションおよび解析を行った。しきい値より小さなアスペクト比(長辺/短辺)を持つ矩形貫通型MCモデルを通過した分散相(油)は、連続相(水)中へ連続的に流出するのみであったが、しきい値より大きなアスペクト比を持つ矩形貫通型MCモデルを通過した分散相は、連続相の流れを必要とせずに相当直径35〜38μmの液滴へと変形した。このように、しきい値より大きなアスペクト比を持つ矩形貫通型MCからマイクロ液滴が自発的に作製される実験結果と良く一致した。 高圧ホモジナイザーと貫通型MC乳化を用いて、食品用素材からなる単分散W/O/W (water-in-oil-in-water)エマルションの作製に成功した。作製されたW/O/Wエマルションの油滴は平均直径約40μmで変動係数5%以下と単分散であり、そして油滴に内包されている体積分率10〜30%の内水相液滴は平均直径0.2〜0.3μmとサブミクロンであることが示された。
|