2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00123
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
合田 昌彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シュードモナス / イソニトリルヒドラターゼ / 結晶化 / 大量発現 / セレノメチオニン置換体 / 活性アミノ酸残基 / 反応機構 |
Research Abstract |
得られたイソニトリルヒドラターゼの結晶について、X線回折データ収集を行った結果、良好な回折データを得ることができ、空間群はP1であることが分かった。s位相を決定するため、昨年度得られたSe-Met誘導体結晶の回折データを用い初期位相の決定、さらに初期モデルの構築に成功した。まず、分解能1.8Åで構造精密化を行った結果、立体構造に関する新しい知見が得られた。イソニトリルヒドラターゼ分子は単位格子中にホモダイマーとして存在しており、そのモノマー分子間は非結晶学的2回軸によって関係づけられていた。中でも最も特徴的な部分は(アミノ酸残基167〜228に相当する)C末端領域の大きなアーム構造であり、その部分はダイマー構造における分子間において互いの主鎖をクロスさせた構造をとり、そのダイマー構造をより強固なものとしていると考えられる。本構造は、一次構造で24%の相同性を示したPH1704には存在しておらず、全く新規な構造である可能性が示唆された。 さらに、分子の表面には基質の大きさに対して少し大きめのくぼみが存在し(直径約7Å、ダイマーあたり2つ存在)、その底には活性中心と予測されるシステイン残基101が位置していた。本システイン残基の周辺を精密に解析した結果、興味深いことに、(相同性のあった)PH1704とは全く異なる新規活性中心構造を形成していることが判明し、新規な反応機構の存在が強く示唆された。
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