2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス応答系における小Maf群因子を中心とした転写複合体の機能解析
Project/Area Number |
03J00152
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
勝岡 史城 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 小Maf群因子 / 酸化ストレス / 転写制御 / 分子生物学 |
Research Abstract |
私は,酸化ストレス応答系における小Maf群因子の貢献を明らにする事を目的に研究を行なっている.本年度は主に,小Maf群因子の一つであるmafG遺伝子の制御領域の解析によって,以下の事実を明らかにする事ができた.小Maf群因子は,Nrf2と二量体となって,酸化ストレス応答・異物代謝系酵素群の遺伝子の転写を正に制御していると考えられている.興味深い事に,mafG遺伝子自身が,酸化ストレスによって誘導される事は,古くから報告されていた.mafG遺伝子の制御領域を詳細に解析した結果,mafG遺伝子が,Nrf2と小Maf群因子によって制御されている事を明らかにした.本研究においては,mafG遺伝子の転写開始地点の近傍に,Nrf2/Mafの結合配列であるMaf認識配列が存在する事,クロマチン免疫沈降解析によって,実際に,Nrf2及び小Maf群因子が転写開始地点の近傍に結合している事が示された.また,Nrf2の遺伝子欠損細胞では,酸化ストレスによるmafG遺伝子の誘導が減弱している事を明らかにした.このmafG遺伝子の誘導の転写制御機構は,酸化ストレス応答におけるNrf2と小Maf群因子を介した転写制御機構において,重要なフィードバック機構として機能していると考えられた(Journal of Biological Chemistry 2005).また,本研究とは別に,小Maf群因子の複合欠失マウスを用いた解析で,小Maf群因子の酸化ストレス・異物代謝系酵素群遺伝子の転写活性化への寄与を,遺伝学的に証明する事を試みており,現在解析結果を集積している.
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Research Products
(1 results)