2004 Fiscal Year Annual Research Report
仮想人体を核としたサイバネティック人工心臓システムの開発
Project/Area Number |
03J00226
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小阪 亮 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パラメータ同定 / 生理モデル / 人工心臓 / 体循環系血管パラメータ / 体循環系共振周波数 / メディカルインターフェース / 動物実験 |
Research Abstract |
本研究は,人工心臓による生体に適応した効果的な治療方法や制御手法の構築を目的に,仮想人体を核としたサイバネテッィク人工心臓システムを構築している.本年度の研究実績は以下の通りである. ・仮想人体モデル:物理学的,生理学的知見を基に非線形の状態方程式で表された体循環系生理モデルを,携帯可能な小型計測システムに組み込み,長期の動物実験へ適用した.その結果,計測情報から直接観測困難な生体内部の血圧を維持するための制御機構や,動物実験末期に生じた循環血液量の減少による脳の虚血状況に対する生理挙動を的確に捉えることができた. ・人工心臓の制御手法:体循環系生理モデルの周波数特性に着目し,体循環系に最も効率的に血液を送ることのできる体循環系共振周波数の逐次同定法を構築した.動物実験により考察したところ,体循環系共振周波数と心拍数は,相関を持ち変動していることが観測された.つまり,心臓の拍動は体循環系に最も効率的に血液を送ることのできる共振周波数を利用していると考察した.人工心臓の制御においても,体循環系シミュレーションにより,この共振周波数を利用した制御手法が有用であると考察することができた. ・メディカルインターフェース:これまで構築してきた知能化遠隔医療システムと仮想人体モデルを組み合わせることで,生体の内部情報や生理的挙動を観測し,その病態の解析や生体の異常検知を行うメディカルインターフェースを構築した.本システムを長期間の動物実験に適用した結果,計測情報から直接観測困難な生理挙動を的確に捉え,異常時にはウェブサイトや電子メールを用いて医師に異常を知らせることができた.
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Research Products
(2 results)