2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素及び環境ホルモンの磁気分離と磁気クロマトグラフィーの研究
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03J00238
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三橋 和成 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 環境ホルモン / ヒ素 / 磁気分離 / 磁気クロマトグラフィー / 水溶性切削加工油 / 磁化率測定 / マグネタイト / 表面処理 |
Research Abstract |
本研究ではヒ素及び環境ホルモンの磁気分離と磁気クロマトグラフィーの研究を行っている。 前者のテーマでは、主にそれぞれを吸着する磁注材料を作製し、吸着実験を行った。 ヒ素除去では2通りの手法で行った。 第一法は共沈法によるヒ素のフェライト化を行った。本研究で使用した地熱水では成分中のシリカが多量に含まれているため、フェライト化反応が妨害されてしまう。本法では、硫酸第一鉄の添加濃度と反応時のpHを制御することにより、強磁性体の水酸化第一鉄様沈殿を生成させ処理後のヒ素濃度を0.010(mg/L)(環境基準値)以下にすることに成功した。 第二法として、ヒ酸、亜ヒ酸イオンを吸着する磁性材料を開発した。本法では、強磁性体であるマグネタイトの表面に陰イオン交換基であるアミノ酸を化学修飾したものを作製した。この吸着材料を用いて処理した結果、残留ヒ素濃度を0.1(mg/L)(排出基準値)以下にできた。さらに、アルカリ処理することにより、ヒ素を脱離させヒ素吸着磁性材料を再利用できた。 環境ホルモン浄化では、マグネタイト表面を疎水化した疎水性物質吸着磁性材料を作製した。この吸着磁性材料を利用することにより、疎水性であり環境ホルモンと疑われているビスフェノールAとノニルフェノールを8割以上浄化でき、さらに本吸着材料は洗浄して再利用することができた。また、波及効集として、使用済み水溶性切削加工油の浄化にも適用可能であることを確認した。 磁気クロマトグラクィーは、磁気カラムを作製し、常磁性イオンを試料としてクロマトグラフィーを行った。その結果、印加磁場を大きくするほと溶出時間が長くなり、磁気クロマトグラフィーを実証することができた。また、溶出時間と各常磁性イオンの磁化率に比例関係があり、磁化率測定法としての可能性を見出すことができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Mitsuhashi: "Purification of Endocrine Disrupter-Polluted Water using High Temperature Superconducting HGMS"Physical Separation in Science and Engineering. (in printing). (2004)
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[Publications] K.Mitsuhashi: "Retention of Ions in a Magnetic Chromatograph using High-Intensity and High-Gradient Magnetic Fields"Separation Science & Technology. Vol.37,No.16. 3635-3645 (2002)
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[Publications] 三橋和成: "超伝導磁石を用いた環境ホルモン除去磁気分離システムの開発"分析化学. Vol.52,No.2. 121-126 (2003)
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[Publications] 三橋和成: "磁気クロマトグラフィーにおける磁性金属イオンの保持挙動"分析化学. Vol.51,No.9. 697-702 (2002)