2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00240
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 規泰 筑波大学, 生物科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | テレメトリ / 飛翔筋 / 筋電位 / 自由飛行 / スズメガ |
Research Abstract |
今年度は運動や感覚入力に対応した特徴的な飛翔筋活動の計測と解析を行った。 0.25gの2チャンネルの送信機を用いて鱗翅目昆虫のエビガラスズメ(Agrius convolvuli)の間接飛翔筋活動を計測し,得られた活動パターンと運動との関連を解析した。その結果,1)間接飛翔筋は,従来固定飛行実験で報告されてきた例よりも大きな活動変化を示す,2)左右の間接飛翔筋の活動のタイミングは独立に制御されており,その中でも翅打ち上げ筋は左右の運動と関連した位相変化を示す,3)翅の部分切除に関連した感覚入力は,打ち上げ・打ち下げ両間接飛翔筋の位相調節に関与していることが明らかになった。 一方,直接飛翔筋の一つである第三翅底骨筋の位相は,飛行中のピッチ角と対応して変化することが明らかになった。ピッチ角は昆虫の上下・前後方向の運動を決定する重要な要素である。このピッチ角や関連した翅の羽ばたきパターンは,昆虫の飛行速度に対応して変化することが知られており(Willmott & Ellington,1997),実験を行う風洞の風速を動的に制御することで,飛行姿勢や羽ばたきパターンの変化と個々の飛翔筋活動パターンとの関連を詳細に解析できることが期待される。 そこで,風速を0〜3m s^<-1>の範囲で制御可能な風洞を新たに製作した。この環境下で,スズメガを自由飛行させたところ,風速と対応したピッチ角と明確な羽ばたき振幅の変化が観察された。現在は,テレメータを搭載したスズメガを用いてこの実験環境下での飛翔筋活動を計測中であるが,この実験方法により,自由飛行の実験で最も困難な飛翔筋活動の羽ばたきパターンと飛翔筋活動との関連を明確にすることができると考えている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Noriyasu Ando: "Changing Motor Patterns of the 3rd Axillary Muscle Activities Associated with Longitudinal Control in Freely Flying Hawkmoths"Zoological Science. 21・2. 123-130 (2004)
-
[Publications] 外池光雄: "アロマサイエンスシリーズ21(2)においと脳・行動"フレグランスジャーナル社. 336 (2003)