2004 Fiscal Year Annual Research Report
イスラーム家族法の女性観および現代社会との関わり方の解明
Project/Area Number |
03J00280
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 真紀 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | イスラーム / 女性 / イスラーム法 / 宗教学 / エジプト / 民衆信仰 / 人類学 / 現代イスラーム社会 |
Research Abstract |
報告者は、平成16年5月に出版された『グローバルテロリズムとイスラーム-穢れた聖戦-』(塩尻和子、杉山香織監訳,明石書店,pp.7-11.)の序文の翻訳を行った。同年7月14日から10月12日には科学研究補助費を利用してリビヤおよびエジプトの調査を行った。特にエジプトでは、7月21日から9月7日までカイロの南約230kmにあるミニヤ市郊外のテヘネ村アコリス遺跡で調査を行っている筑波大学発掘調査隊(隊長・川西宏幸教授)の一員として同村に滞在しイスラーム法と現実社会の関係という関心のもとフィールドワークを行なった。この滞在では、妊娠祈願や呪術等の民衆信仰や、村内におけるコプト、ムスリムの共存関係を中心に調査を行ない、特に妊娠祈願についてはその後「イスラーム復興のはざまで-上エジプトにみる民衆的宗教世界-」(『現代宗教2005』印刷中)というタイトルの論文においてイスラーム法と民衆的実践の乖離についての考察を深めた。同年9月には昨年のエジプト調査をもとにした「エジプト身分法改革と女性」が『宗教研究』第78巻第2号に掲載された。 平成17年1月1日から2月28日には再びエジプトを訪れ、前回の追調査を行うとともにテヘネ村以外の妊娠祈願儀礼地にも赴き調査を行った。また、カイロ大学のダルウィーシュ教授、セイフ教授、ミニヤ大学のハヤーム教授、フサイン教授等現地の研究者や、日本学術振興会カイロ研究連絡センターに訪れる日本人研究者との交流も行った。同年3月28日には第19回国際宗教学宗教史会議世界大会において"A Study of a Folk Belief in Middle Egypt - a Fertility Ritual in Village "T"as a Case Study -"という発表を行う予定である。また、2005年夏刊行予定『宗教の事典』(山折哲雄監修,朝倉書店)において「聖戦」および「結婚」の項目を執筆した。
|
Research Products
(4 results)