2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンドリュール形成メカニズムの理論的解明:衝撃波加熱シナリオ
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03J00320
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三浦 均 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コンドリュールサイズ分布 / ダストの蒸発 / ガス動圧によるダスト破壊 / 輻射輸送 |
Research Abstract |
本年度は、衝撃波加熱中に生じるダストサイズ変化過程に特に注目して研究を行なった。衝撃波加熱においては、(a)蒸発による収縮、(b)融解したダストに大きなガス圧が働くことによる破壊、によってダストサイズが変化する。このため、形成されるコンドリュールのサイズは、前駆体であるダストよりも小さくなる。コンドリュールのサイズ分布は実際に測定されており、コンドリュール形成モデルがこれを矛盾なく説明できることは必要不可欠である。そのため、ダストの熱史とともに、上記の過程によるサイズ変化を定量的に調べることは重要である。まずは、様々な衝撃波条件に対する蛍光を見るため、計算量が少ない輻射輸送なしの数値計算を行なった。その結果、衝撃波加熱は測定されたコンドリュールのサイズ分布を再現しうることが分かった。ただし、そのためには前駆体ダストのサイズ分布が星間空間に見られるような単純なベキ分布ではなく、約300-900ミクロンのダスト空間的に濃縮したサイズ分布になっている必要があることも分かった。以上の結果は、コンドリュールのサイズ分布が原始惑星系内部でダストのサイズ選択的分離が生じていたことを示す直接的な証拠となることを意味している。 来年度は、コンドリュール分析の分野からの制約の強い加熱速度(揮発性元素の保持)、冷却速度(内部構造の再現)等のダスト熱史について、定量的に調べていく予定である。熱史の定量的評価のためには、輻射によるダスト同士のエネルギー交換(輻射輸送過程)が重要であり、上記の数値計算に輻射輸送を加える必要がある。現在、その計算コードはほぼ完成している。
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[Publications] Hitoshi Miura: "Explanation for Minimum Size of Chondrules by Shock-Wave Heating Model"Proceedings of the 36th ISAS Lunar and Planetary Symposium. 41-44 (2003)
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[Publications] Hitoshi Miura: "Crystallization of Silicates in Circumstellar Environments by Shock Waves"Proceedings of The 23th Grain Formation Workshop. (in press).