2005 Fiscal Year Annual Research Report
非翻訳型RNAによる転写、及び翻訳レベルでの遺伝子発現制御機構の解析
Project/Area Number |
03J00339
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 吉成 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非翻訳型RNA / 遺伝子発現制御 / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
枯草菌における非翻訳型RNAによる転写、及び翻訳レベルでの遺伝子発現制御機構を解明することを目的として、以下の2つの重要課題について研究を進めた。 1.昨年度までに、枯草菌において同定した、BS190 RNAおよびBS203 RNAを含む、9種類の非翻訳型RNAに対して、薬剤耐性遺伝子を用いて完全に遺伝子を欠損した株を作製し、これらの遺伝子欠損株を用いてDNAマイクロアレイ解析を行ない、転写レベルで発現量が増減する遺伝子の解析を行なった。その結果、それぞれの非翻訳型RNAが、異なる複数の遺伝子の転写レベルにおける発現制御に関与することが示唆された。今年度は、二次元電気泳動解析を用いた、非翻訳型RNAの翻訳レベルでの機能解析を行なった。その結果、遺伝子欠損株において、転写レベルでは発現が変化しないが、翻訳レベルで発現が変化する遺伝子が見つかった。 2.昨年度までに、RNA結合タンパク質であるYdbRについて、DEADボックス型RNAヘリカーゼとして機能することを明らかにした。今年度は、生体内における、YdbRタンパク質とリボソームとの相互作用を明らかにした。また、ydbR遺伝子を欠損した株を作製し、YdbRタンパク質が、特に低温条件での生育に重要であり、低温条件下では高発現していることが明らかになった。YdbRタンパク質は、生体内において、様々なRNAの構造変化に関与し、特に翻訳の調節に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)