2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラット皮質脊髄路の軸索側枝の形成を誘導する因子の同定
Project/Area Number |
03J00358
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 拓也 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | GeneChip / マウス子宮内胎仔 / 電気穿孔法 / 大脳皮質第5層 / 皮質脊髄路 |
Research Abstract |
私は昨年度までにGeneChip等を用いたスクリーニングにおいて複数の候補遺伝子を得ている。今年度はこれら候補遺伝子のin vivoにおける機能を解析するため、マウス子宮内胎仔脳に対する電気穿孔法を確立した。条件検討の結果、胎生12.5日目のマウス胎仔にこの方法を用いる事によって、候補遺伝子を皮質脊髄路付近で異所的に強制発現させる事が可能となった。実際にこの条件下でEGFP遺伝子を強制発現させた細胞の近傍を、,蛍光色素DiIで標識した皮質脊髄路が走行する事が確認できた。また胎生12.5日目、あるいは胎生13.5日目のマウス胎仔に用いる事によって、候補因子に対する受容体遺伝子、あるいはその受容体のドミナントネガティブフォームを大脳皮質第5層の皮質脊髄路起始細胞で強制発現させる事が可能となった。実際にこの条件下でEGFP遺伝子を起始細胞に強制発現させて、皮質脊髄路の走行・側枝形成を可視化する事ができた。この実験系を用いて候補遺伝子の側枝形成に対する影響をin vivoで調べる事ができる。また、候補遺伝子・それらに対する受容体遺伝子をそれぞれ単離し、それら発現コンストラクト・受容体ドミナントネガティブフォームの発現コンストラクトを作製した。培養細胞を用いて、これら発現コンストラクトから目的のタンパク質が合成されるかどうかを調べた。その結果、正しい分子量のタンパク質が合成されていることが確認できた。また、候補因子は細胞上清中に分泌される事、受容体・受容体ドミナントネガティブフォームは細胞膜に局在している事がそれぞれ確認できた。現在はマウス子宮内胎仔脳に対する電気穿孔法を用いてこれら発現コンストラクトを強制発現させ、その表現型を解析している。
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