2005 Fiscal Year Annual Research Report
両生類の水適応におけるアクアポリン分子の多様性とその発現調節機構
Project/Area Number |
03J00506
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長谷川 敬展 静岡大学, 理学部, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | アクアポリン / 無尾両生類 / 膀胱 / リン酸化 / 抗利尿ホルモン / 腹側皮膚 / 水適応 |
Research Abstract |
様々な水環境に適応する両生類にとって,アクアポリン(aquaporin : AQP)と呼ばれる水チャネルを介した水代謝調節は必要不可欠である。特に,腹側皮膚や膀胱は,抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone : ADH)の作用で水吸収量が調節されることから,体内の水バランス維持に重要な器官である。これまでの研究で,アマガエル腹側皮膚からクローニングされたAQP-h2およびAQp-h3は,腹側皮膚ではADHの作用で顆粒細胞のアピカル膜に輸送されることから,カエルのADH調節性AQPであることを示してきた。AQP-h2は膀胱にも発現し,顆粒細胞の小胞に局在している。膀胱にADHを作用させると,AQP-h2はアピカル膜へ輸送されることから,膀胱においてもADH調節性AQPとして働き,尿からの水の再吸収に重要な役割をもつことを明らかにした。また,その輸送過程ではAQP-h2のリン酸化が関与することを明らかにした(Cell Tissue Res.322:407-415,2005)。さらに,各種水適応様式(樹上生,陸生,半陸生,水生)のカエルについて,全種の腹側皮膚にAQP-h3のホモログが存在すること,全種の膀胱にはAQP-h2ホモログが発現するが,腹側皮膚では樹上生種および陸生種に限定されることを明らかにし,AQPアイソフォームの発現パターンと水への適応との関連性を示した(Ann.N.Y.Acad.Sci.1040:483-485,2005)。
|