2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子的機構超伝導のab initio計算と2次縮約密度行列解析によるアプローチ
Project/Area Number |
03J00588
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山木 大輔 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Hartree-Fock-Bogolibov法 / Generalized Hartree-Fock / ハバードモデル / ab initio / 電子的機構超伝導 / 量子化学 |
Research Abstract |
初年度の研究は2つの部分からなる。1つは、Hartree-Fock-Bogolibov(HFB)理論の研究、2つ目はab initio法からのモデルハミルトニアンの抽出の研究である。 1 HFB理論の研究(中間的制限方程式の定式化と、三角格子系の数値計算) Generalized HFB(GHFB)方程式に対し、クーパー対の多重度の制限、通常の電子の軌道の制限を行い、4種の中間的制限方程式(三重項超伝導非制限型、一重項超伝導非制限型、一重項超伝導制限型、三重項超伝導制限型)を導出した。これらの制限方程式はGHFB方程式が目的物の現象に対し自由度が大きすぎる場合に有効である。 三角格子系に対しGHFB・Generalized Hartree-Fock(GHF)・Unrestricted Hartree-Fock(UHF)法による数値計算をおこない、三角格子系の座標変化に対する、解のエネルギー依存性を示した。3サイト3電子ハバードモデルでは、負のUの時はGHFB解・正のUの時はGHF解が安定となった。 2 ab initio法からのモデルハミルトニアンの抽出 ab initio法に基づいて、モデルハミルトニアンのパラメータを決定する指針を提案した。一例としてハバードモデルのパラメータの決定を解析的に行った。パラメータは、エネルギーとスピン二乗演算子の期待値からなる簡便な式として表された。得られたモデルの解析解を用いて補正エネルギーの式も示した。さらに、分子系Li_2とH_2で補正エネルギーを計算しFull CIと比較することにより理論の検証を行った。結果は良好であった。 今後は、これらのGHFB方程式とモデルハミルトニアンの抽出の理論の2つのアプローチを融合させることにより、電子的機構超伝導のための方法論を構築する。また、現実に近い分子系へのアプローチも計画している。
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Research Products
(1 results)