2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00675
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐見 俊介 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 粒子加速 / 磁気音波 / 無衝突衝撃波 / 相対論的粒子 / 宇宙線 / 非線形理論 / 計算機シミュレーション / 多成分プラズマ |
Research Abstract |
2003年に新しく見出した、衝撃波による磁場に平行方向の粒子加速に関する研究を理論と計算機シミュレーションの両面から進めた。この加速機構では、一部の相対論的粒子が、衝撃波遷移領域内で外部磁場にほぼ平行に動いて、加速され続ける。 まず、粒子の第0次運動とそれに対する摂動まで含めた理論を構築した。相対論的粒子の場合、速さvのわずかな変化がLorentz因子γの大きな変化を引き起こすことから、vdγ/dt>>γdv/dtと仮定することができる。最初に、この仮定のもと、第0次の運動方程式を立てた。衝撃波の伝播速度がv_<sh>〜c cosθの場合(cは光速、θは伝播角)、粒子が外部磁場とほぼ平行に動き、γが時間に比例して増大する第0次運動の解が求められる。この第0次運動は、陽電子でもイオンでも成り立つ。さらに、運動方程式を展開して、第0次運動に対する摂動を計算した。摂動の振る舞いは陽電子とイオンとで異なる。摂動の周波数は、陽電子の場合ω〜Ω_pγ^<-1>、イオンの場合ω〜Ω_iγ^<-1/2>、と求められる(Ω_p、Ω_iはそれぞれイオン、陽電子の非相対論的ジャイロ周波数)。また、イオンの場合、摂動が安定となる条件が導出されるが、陽電子の場合はそのような安定条件は要請されない。 この理論を検証するため、計算機シミュレーションを行った。陽電子加速の粒子シミュレーションと理論との比較を行ったところ、第0次運動および摂動とも、理論とシミュレーションの結果はよく一致することが分かった。現在、イオン運動に関して、テスト粒子シミュレーションを行い、その結果を理論と比較している。
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Research Products
(2 results)