2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア・西太平洋-インド洋域における水循環の季節変化とその年々変動
Project/Area Number |
03J00703
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 美紀 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アジアモンスーン / 水循環 / 年々変動 |
Research Abstract |
西太平洋域における水蒸気の輸送経路の季節変化とその年々変動の実態を明らかにするため、全球客観解析データの6時間値を用いて、降水量分布の季節変化パターンの異なる1985年、1990年、1997年、1998年の6月から8月について仮想的な水の移動経路を調べた。 また、フィリピン東沖における降水量分布の季節変化と赤道季節内振動の関係を調べるため、赤道域を東進するスーパークラスターから分離して北西進するクラウドクラスターおよび台風について、GMSの黒体輝度温度、全球客観解析データおよび台風経路図を用いて、特にそれらの発生の特徴を調べた。1997年の例では、スーパークラスターの通過前に850hPaにおける高度の低下が見られ、この低圧部の西側で西風が増加すること、およびその西風域が東へ伝播することがわかった。一方で低圧部の北側では東風が強まっていた。500hPa以下における西風および東風の最大値はそれぞれ北緯5度と15度付近に見られ、これらの東西風は7月中旬にかけて強まり、台風の発生した北緯10度東経140度付近で相対渦度が増加することに対応する。各年の比較から、赤道域におけるスーパークラスターの通過は、そこから分離して北西進するクラウドクラスターや台風を伴うことが多く、フィリピン東沖における降水量分布の季節変化パターンとよく対応していることがわかった。これらの成果はアジア・大洋州地球科学学会(AOGS)第2回年会で発表する。
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Research Products
(2 results)