2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック-バネモデルによる海溝沿い地震サイクルの解明および沈み込み帯地震学の構築
Project/Area Number |
03J00706
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
光井 能麻 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 南海トラフ / 地震サイクル / 速度と状態に依存する摩擦構成則 / 地球シミュレータ |
Research Abstract |
多セグメントから成る沈み込み帯沿いの地震発生サイクルシミュレーションを行うため、各セグメントを一個ずつセルに見立てた多セルモデルのシミュレーションプログラムを作成・試計算を行った。研究代表者の従来のプログラムは西南日本の南海トラフ沿いの地震のみに適用可能なプログラムであったため、これを拡張しどの沈み込み帯にでも適用可能なものにした。また、このプログラムでは地震時に破壊域となる固着域のみでなく、あらゆる領域の断層をモデルに取り入れることを可能とした。これによって地震後、固着域の深部で起こると考えられている余効すべり等をモデル化し、地震サイクルを再現することが可能である。同時に、内陸浅部の活断層もモデル化できるため、沈み込み帯における巨大地震が内陸活断層の地震発生サイクルへ及ぼす影響等もシミュレート可能である。また、三次元的にあらゆる相対位置をもつ断層間の相互作用を計算に取り入れたため、従来の計算では無視していた断層面上の法線応力の変化も計算できるよう変更した。これに加えて計算結果の解析も、より自動化を図った。本研究の計算結果は地球シミュレータ固体地球系採択課題プロジェクト「複雑断層系の地震発生サイクルシミュレーション」のシミュレーションモデル構築に応用する。そのため、研究計画やモデル構築等に関する打ち合わせを数回行った。本研究で用いるプログラムも、このプロジェクトの計算結果と比較可能なものとするため、より類似性を持たせたものとした。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Noa Mitsui, Kazuro Hirahara: "Block-spring simulation of earthquake cycle along the Nankai trough"3rd ACES Workshop Proceedings. 295-300 (2003)
-
[Publications] Noa Mitsui, Kazuro Hirahara: "Simple spring-mass model simulation of earthquake cycle along the Nankai trough in southwest Japan"Pure and Applied Geophysics. (in press). (2004)