2004 Fiscal Year Annual Research Report
色素体遺伝子のNEPプロモーターに働く転写因子の単離と機能解析
Project/Area Number |
03J00843
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 勇気 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 特別研究員PD
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Keywords | 葉緑体 / 転写 |
Research Abstract |
本研究は、植物の色素体に存在する2種類のRNAポリメラーゼPEP(色素体コード色素体RNAポリメラーゼ)とNEP(核コード色素体RNAポリメラーゼ)のうち機能解析が進んでいないNEPについて、その候補であるRpoTを用いたNEPプロモーター認識とNEPによる色素体遺伝子の転写の分子機構を明らかにするため、RpoTの転写活性を生化学的に実証し、さらにNEPプロモーターを認識する新規転写制御因子の探索と同定を目的として解析を行った。本研究は、既に単離し、色素体に局在することを明らかにしたタバコのNsRpoT-B、NsRpoT-Cをもちいて解析を行っている。 本年度は、タバコを用いたin vitro転写系にNsRpoT-BとNsRpoT-Cの抗体を添加し、色素体atpB遺伝子転写の変化を検証した。抗体を添加することによって色素体の転写活性が低下する傾向が観察された。この事からNsRpoTは葉緑体においてRNAポリメラーゼとして機能している事が示された。また、タバコin vitro転写系の転写産物による、色素体マイクロアレイを用いた網羅的な検出を行ったが当研究室で開発された培養細胞を用いたin vitro転写系では転写活性が低く大半の遺伝子を明瞭に検出する事はできなかった。さらに、one hybrid法によって新規のNEP転写因子の探索を行い転写因子の候補を得たが、ドメイン検索や生化学的な解析の結果から新規の転写因子は得られなかった。
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