2003 Fiscal Year Annual Research Report
数値解析によるカイラルゲージ理論の非摂動的側面の研究
Project/Area Number |
03J00887
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加堂 大輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ginsparg-Wilson関係式 / 格子カイラルゲージ理論 |
Research Abstract |
格子ゲージ理論の枠組みでカイラルなフェルミオンを単位とするゲージ理論を考えるとき、現在までに非可換なゲージ群に対してゲージ不変に定式化する方法は知られていない。これに対して数年前から今までに、Ginsparg-Wilson関係式がカイラルゲージ理論の格子定式化に重要な役割を果たすことがわかってきた。字際に、この関係式を用いることで可換なゲージ群の場合のゲージ不変な定式化の存在可能性が示されている。本研究では、すでに知られている可換ゲージ群の場合の存在可能性の証明を拡張して実際にモンテカルロシミュレーション等の数値的な応用が可能な定式化をすることを考えてきた。そこで第一に数値応用への問題点のひとつであった有限手続きの範囲内の方法でのゲージ対称性の厳密な保証が可能であることを示した。これはゲージアノマリーの位相的性質に関係した局所コホモロジー問題を有限体積の格子上で直接解くことによってなされる。第二に格子作用の中で上の手続きを用いて構成されたゲージ対称性の保証に関係した局所相殺項が数値計算によって数値的に実際求めることができることを示し、局所性などの持つべき性質を確認した。これらの研究で数値応用可能な可換カイラルゲージ理論の構成論に関してゲージ不変性についての問題は解決されたといえる。また、非可換ゲージ群の場合を考える一歩として局所コホモロジー問題を解く方法としてこれまで知られているゲージポテンシャルによる解析法とは異なるゲージ場のテンソルを直接用いた解析法についても提案している。
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