2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00913
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
仙石 哲也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | kendomycin / VISA / 抗生物質 / クライゼン転位 / 大員環エーテル化合物 |
Research Abstract |
VISAであるMu50に対して、活性を示す抗生物質Kendomycinの合成研究において、平成17年度の研究は全合成の達成に必須なサンプルの大量合成について検討を行った。 昨年までに合成を達成している閉環メタセシス反応生成物は、3つのセグメントから合成されている。これまでの手法では大量に合成する事が困難であったC1-C9セグメント、C10-C13セグメント間でのアルキルリチウムでのカップリング反応をグリニャール反応に変更し、保護基を変える事で高立体選択的、高収率で目的の化合物を得る事ができた。この反応によってスケールアップが可能になり、数十グラムスケールでの合成ができるようになった事からも非常に大きな進展があったと考えている。また、これによって、昨年合成した閉環メタセシス生成物の幾何異性を確認する事ができた。現在、閉環メタセシス生成物の内部オレフィンの還元を行っている事である。 また、今後の構造活性相関研究のため、アナログ合成にも着手している。アナログ合成は過去の経験を生かし、これまでに無い大員環エーテル化合物のクライゼン転位を用いる事とした。すなわち、大員環でアリルエーテルを合成しておき、それをクライゼン転位する事でC-O結合をC-C結合へと変換する手法である。」実際に行うと、クライゼン転位は容易に進行し、この手法が非常に効果的な手法である事がわかった。 今後は現在合成しているものの他にもアナログを数種類合成し、構造と活性がどのように関係しているのか、また毒性と有用な活性の分離は可能であるのか、などを確認して行きたいと思う
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