2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J00938
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 美名 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 頂芽優勢 / 植物ホルモン / オーキシン / サイトカイニン / isopentenyltransferase |
Research Abstract |
前年度までの研究により、「頂芽優勢におけるオーキシンの役割は、腋芽の成長を促進するサイトカイニンの生合成の律速段階を司るIPTの発現を抑制することにある」という、これまでには明らかにされてこなかった新しい知見を得てきた。しかし、オーキシンがどのような分子機構を通して、IPTの発現を調節しているかは、依然として不明である。 そこで、まず、PsIPT遺伝子を単離した。PsIPT1プロモーター上には、既知のオーキシン応答配列(AuRE)が存在し、一方、PsIPT2プロモーター上には、オーキシンで誘導がかかる遺伝子に広く保存されている配列(GGTCCCAT)が存在した。これらの配列がオーキシンの発現抑制に関与しているか否かを調べるために、野生型および上記の配列を欠失させたPsIPT1,2 promoter::GUSを導入した形質転換体を作成した。PsIPT1 promoter::GUS植物体では、側根、根端で、PsIPT2 promoter::GUS植物体では、根端以外の全組織でGUSの発現が観察された。このことは、形質転換体では、エンドウと同じような組織特異性を示さないことを示している。GUSタンパク質は、安定なためオーキシン処理時のGUS mRNAの変動を継時的に調べた。その結果、PsIPT2 promoter::GUS植物体のmRNAは、エンドウで見られるのと同様に減少した。このことは、PsIPT2 promoter::GUSは、シロイヌナズナ中でもオーキシンによる抑制を受けることを示している。しかし、GGTCCCAT配列を欠失させた植物体においても、オーキシンでの抑制が見られ、この配列がシス配列として機能していないことが明らかになった。現在、PsIPT2 promoter上流2kbpに上流から100bpの欠失を入れたコンストラクトを持つシロイヌナズナ形質転換体を作製して、オーキシンによる抑制シス配列を明らかにしようとしつつある。
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Research Products
(1 results)