2004 Fiscal Year Annual Research Report
モデル下等生物を用いたタンパク質架橋酵素の未知生理機能の探索
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03J00941
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 文孝 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 真性粘菌 / トランスグルタミナーゼ / 傷害修復 |
Research Abstract |
本研究では、下等モデル生物として真性粘菌を用いて、トランスグルタミナーゼの機能解析を行っている。真性粘菌のトランスグルタミナーゼ(PpTGase)は細胞が傷害を受けた際、細胞膜の修復に関与する可能性が示唆されているが、細胞傷害時に、PpTGaseがどのように局在を変化させ、どこで架橋活性を発揮して、どの分子を基質とするのか、など詳細な機能については不明である。 細胞傷害部位におけるPpTGase、及びPpTGaseの基質タンパク質の局在を解析するために、蛍光標識した一級アミン存在下で細胞に物理的傷害を与え、免疫染色を行った。その結果、PpTGaseは数十秒という比較的速い時間で傷害部位付近に広く局在したのに対して、PpTGaseの基質タンパク質は修復された細胞膜に局所的に存在した。これらの結果からPpTGaseが細胞膜の修復に基質タンパク質を架橋化することで関与していることが示唆された。 これらの基質タンパク質を同定するためにビオチンを付加した一級アミン存在下で傷害を与え、基質タンパク質を標識した。膜画分を回収し可溶化後、ビオチン-アビジン相互作用を利用して、ストレプトアビジン-セファロースにより基質タンパク質を精製した。その結果、3種の主要なタンパク質(p44、p40、p33)が精製され、その内p44、p40は質量分析により、それぞれactinとCBP40であることが明らかになった。また、p33はデータベースにない未知のタンパク質であり、現在同定を進めている。今後はこれらの基質の架橋化が細胞膜修復にどのように関与するか詳細に解析していく予定である。
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Research Products
(1 results)