2004 Fiscal Year Annual Research Report
クローン植物ヒメモチの花粉流動と繁殖成功に関する研究
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03J00944
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥丸 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モチノキ科 / 遺伝構造 / 父性解析 / マイクロサテライト / 集団遺伝 / 繁殖生態 / 雌雄異株 / クローン植物 |
Research Abstract |
本研究は、雌雄異株性のクローン植物であるヒメモチの送粉パターンと雌雄の繁殖成功の解明を通じて、クローン植物個体群のジェネット形成における有性繁殖に対する適応的意義を解明することを目的としている。雌性繁殖成功度は、種子生産数で測定される。一方、雄性繁殖成功度は、交配頻度として測定される。近年、マイクロサテライトマーカーを用いた花粉親の推定により、雄性繁殖成功の推定が可能となった。平成16年度には、主に以下の研究成果が得られた。 1.マイクロサテライトマーカーを用いて、2つヒメモチ集団の遺伝的構成パターンを、クローン多様性、遺伝的変異、ハーディ・ワインバーグ平衡からの遺伝子型頻度の偏りの程度、遺伝的構造を調べることにより明らかにした。その結果、ジェネットレベルと対立遺伝子レベルの変異は必ずしも同じ傾向を示さないことが明らかになった。さらに、ジェネットレベルにおいて両方の集団で強い遺伝的構造が認められた。 2.ヒメモチのモジュール形成と有性生殖の機会の間の関連性を明らかにするために、異なるモジュールレベル(シュート、ラメート、ジェネット)における性的二型性の有無を調査した。その結果、性的二型性はモジュールごと、年ごとに変動することが明らかになった。さらに、ジェネットサイズ(ジェネットを構成するラメート数)が増大するにつれて生殖ラメートの最小サイズは低下することが明らかになった。このことから、ジェネットサイズと有性生殖の機会の間には相加的でない関係が認められた。
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Research Products
(2 results)